言語技術=Language Artsは世界標準の母語教育です
すべての学習の基礎となる「話す、聞く、読む、書く」を総合的に鍛える独自のカリキュラムです。
自分の考えを根拠や理由をもって話すことが、論理的思考力を育む第一歩と言われています。本校では1年生から経験する問答ゲームの型の徹底により、他のどの教科においても、明確な理由付けをして自分の考えを述べようとする子どもたちが育っています。
「話す、聞く、読む、書く」を総合的に鍛える独自のカリキュラム
本校の学校設定科目「言語技術科」の授業は、各学年週に1回。つくば言語技術教育研究所作成のプログラムを基に、9年生までの一貫したカリキュラムの中で、情報の取り込み(読む・聞く)、思考(論理的・批判的・分析的・多面的)、表現(話す・書く)などのスキルをスパイラル式に学習していきます。
〈話す・聞く〉問答ゲーム・議論 そして対話による深い学び合い
問答ゲームは、問いに対して主語を必ず入れ、「主張(結論)・根拠(理由)・再主張(結論)」の型で返すというゲーム形式の学習です。問答ゲームの型を基本とし、議論の際にも一貫してその型を用いて発言させます。自分の意見に責任を持って論理的に伝える力と、相手の意見を分析的・批判的に聞き取る力が鍛えられ、対話による学び合いが深まります。
〈読む〉絵の分析・テクストの分析など
絵や文章などさまざまな情報を論理的・多面的・批判的に分析・解釈をします。導入として、低学年では多くの「絵本の読み聞かせ」を行い、読解力や情報分析力の素地を培っています。4年生になると一冊の本を丸ごと読み込む「丸本分析」という学習も取り入れています。あふれる情報の中から必要な情報は何か判断し、正確に読み取る力が育成されます。
〈書く〉パラグラフ・小論文
問答ゲームの型と同じ構造を持つ「パラグラフ」の形式を用い、自分の思考を整理して論理的に書く訓練を積み重ねています。基本となるパラグラフを組み立てて構成した小論文は世界標準の型に基づいたものです。書いた文章は指導者によって添削、観点別に評価をされて返却されます。繰り返し取り組むことで記述力が磨かれていきます。
子どもの将来を左右する言語技術教育
『言語技術』は、体系的に言葉の学習をする教科で、児童・生徒が高い言語力を獲得し、豊かな人間に育つことを目指すものです。『言語技術』で最も重視しているのが、クリティカル・シンキング[批判的思考]と呼ばれる考える力の獲得です。これは、情報を分析的、論理的、多角的に検討する思考の方法です。そのために児童・生徒には、例えば絵や物語、あるいは説明するための材料など様々な情報を与え、それについて議論をさせながらクリティカル・シンキングをさせます。この段階で、児童・生徒は対象を読むためのスキル、あるいは議論するためのスキルを身につけていきます。
また、『言語技術』では、考えたことを単に口頭で表現するだけでなく、わかりやすく記述に落とす力を身につけることも重視しています。そのために小学校低学年から、わかりやすい作文の記述方法を指導します。考えたことを型に則って文章で表現する方法を学習する内に、児童・生徒の作文力ばかりか、考え方にも変化が現れます。
『言語技術』の授業の中で、多くの文章や本、あるいはデータを読みつつ、クラスメートや教員と様々な議論を自由に重ねていくうちに、児童・生徒は自分の考えを明確に持つようになり、その一方で、他人の意見にしっかり耳を傾け、最も妥当な考えに向かって、議論を重ねることもできるようになります。こうした社会生活を送るために不可欠な言語能力を獲得させることが、まさに『言語技術』の目標です。
つくば言語技術教育研究所 三森ゆりか
本校は、文部科学省認定の教育研究開発学校(教育課程特例校)です。
全国レベルでの公開研究会の実施
研究成果の発表の場として、毎年全国の教育関係者が集い、公開授業、研究発表、研究協議会、記念講演などのプログラムで構成された公開研究会を行っています。
ユネスコスクール(持続開発可能な教育)加盟校、そして学びの力。
「ユネスコスクール」は、1953年、ASPnet(Associated Schools Project Network)として、ユネスコ憲章に示された理念を学校現場で実践するため、国際理解教育の実験的な試みを比較研究し、その調整をはかる共同体として発足されたものです。
本校はユネスコの理念に沿った国際理解教育、地球規模の諸問題への積極的な取組みを継続的に実施していることが認められ、県知事部局~日本ユネスコ国内委員会事務総長(文部科学省国際総括官)からの申請を受け、2012年にユネスコ本部より認可されました。